故人様と過ごす最後の大切な時間、「通夜式」についてご案内します。
お通夜とは
通夜(通夜式)は、故人様が生と死の境界線上にある大切な時間です。
日本の古来の葬儀儀礼として「殯(もがり)」というものがあります。家族が死ぬと、一定期間、生前と同様に食事を出すなどの世話をする習慣のことをさします。通夜式はこの殯の遺習であるとも言われています。現代でも、身近な人の死はなかなか受け入れがたいことです。心のどこかでは、まだ生きていると思いたいものです。通夜式では、このような遺族の心情を大切にします。
通夜(通夜式)に対しての意識の変化
近頃では、死の当日は「仮通夜」と称してご家族だけで故人様を見守り、ご葬儀・告別式の前日を「本通夜」とするケースも多く見られます。また、東京の都市部では通夜式の弔問客が告別式の参列者より多くなる傾向があるため、告別式並に営まれることも多くなってきました。
かつて通夜式の飾り付けは、棺の前に枕飾りを置く程度でしたが、近頃では告別式と同じように祭壇を飾ることが一般的になっています。
さまざまな通夜ぶるまい
僧侶の読経と弔問客の焼香が終わったら、弔問客に対して通夜ぶるまいがあります。通夜ぶるまいの席は、故人への供養とともに、ご足労いただきお世話になった方々への感謝を表す席です。東京ではお料理や酒をふるまいますが、大阪では茶菓子だけですませたり、食事券を渡したりするなど、ふるまいの形は地方によってさまざまです。
遺族の心情を大切に
現代の通夜式がたとえ夜間の告別式のようになりつつあるとしても、遺族や身近な人間にとって、通夜式は故人と過ごす最後の大切な時間です。また、遺族は看護で肉体的に疲れている場合もあり精神的な動揺もあります。弔問に訪れる際は、そのような点に十分配慮したいものです。