社会人になると自分達の親族以外の会社関係や友人関係で葬儀に参列する機会もあるかもしれません。そして、代理を頼まれた際には香典を預かり葬儀にも代理人として参列する場面もあるかもしれません。実際に代理人として参列する際には受付での対応等が少し変わってきます。事前に代理人としてのマナーを心得ておくと、いざという時に慌てずに対応できます。
今回の記事では、代理人として香典を預かった場合のマナーについて詳しくご紹介致します。
代理人としての香典と記帳
通常であれば、香典は代理をお願いする側が用意しますから代理として葬儀や通夜に参列する時には香典を用意する必要はありません。しかし、急なことで香典が用意できない場合には代理の人が代わりに香典を購入し表書きなどの記入を任されるときもあります。代理の人が香典を準備する場合の表書きでは、依頼者のフルネームを書き左下に代理人の「代」と記入するのが作法です。自分の配偶者の代理としての表書きでは、配偶者のフルネームを書き左下に「内」と書きます。また、亡くなった方が会社の取引先の人であった場合には、上司の代理を務めると共に会社の代表としての参列をするということになります。その場合の表書きでは、会社の名前と上司の名前をフルネームで書き左下に「代」と記入しますが、注意点として会社の名前が長い場合や(株)(有)などの会社の種類についても省略して書くのではなく、長くなっても正式な会社名を記入しておきましょう。
香典の準備が済んだら、受付での記帳でも注意が必要です。記帳をする際には、受付の人にまず口頭で本人が参列できず代理で来た旨と共に遺族の方へのお悔やみを言い香典を手渡します。記帳する名簿には依頼をしてきた人のフルネームと住所を記入漏れのないように書きます。(書き間違いを起こさないためにも依頼主にメモに書いてもらうなどして確認できるようにしておくと良いですね)代理として来たことが分かるように、この際に依頼主の名前の横に自分の名前と「代」と記入しておくことが必要です。依頼主が配偶者であればこの際も「内」と書きます。上司の代理での参列の場合では会社の住所と会社名を省略せずに書き、上司の名前をフルネーム・部署・役職名をしっかりと記入しておきましょう。そして上司の名前の下に「代」と記入し自分の名前もフルネームで書きます。会社の代理としての参列では、自分の名前の前に「代」と書きましょう。
代理人としての香典の渡し方
会社関係の葬儀や通夜の受付で香典を渡す際一緒に名刺を渡すことは失礼にはなりません。遺族の方に亡くなった人との関係性を示すものにもなりますので、受付で名刺を渡すことは可能です。葬儀に参列した場合に渡す名刺には、書き足しておくべきことがあります。まず依頼主の名刺には右上に「弔」を記入し、代理人の名刺の右上には「代」と記入します。基本的には代理の人の名刺は出さず依頼主の方の名刺を渡しますが、受付の方に求められた場合のみ代理の人の名刺を出すのがマナーなので、名刺を求められた際に慌てない様に依頼主・代理人の名刺共に書き足すべき事柄を記入した状態で準備しておきましょう。
名刺を渡すタイミングについては、香典を渡すタイミングで名刺も一緒に受付の方に渡します。香典と名刺の向きを受付の方が読みやすい向きにして渡しましょう。名刺については、名刺盆というものが受付に置いてある場合もあります。その際にも受付の方が見やすい向きにして置くのがマナーです。受付がない葬儀の場合では、拝礼の際に香典と名刺を供えるか、遺族の方に直接手渡しをすることも可能です。いずれの場合も、相手に見やすいような向きで渡すようにしましょう。
代理人としての御礼品や通夜振る舞い
代理人として参列した際には、香典の当日返しや会葬御礼品についての注意点もあります。香典返しは香典をもらった事に対する感謝の気持ちが込められている返礼品ですので、代理で参列した際にも香典返しを預かるのが礼儀です。代理で参列しているからとお断りをすることはマナー違反になりますので控えましょう。代理として香典返しを預かった場合には、依頼主本人に香典返しを渡すまでが代理としての役割となりますので責任を持って預かりましょう。また、代理として来たという旨を受付で話した際に、香典返しを渡すのを今にするか、郵送で本人に届けるかを尋ねられる場合もあります。本人にすぐ渡すことができるのであればその旨を伝え、その場で受け取る方が良いでしょう。渡すことが難しい場合には、郵送にしてもらうことも可能です。郵送自体は聞かれたら可能ですが、手間がかかる事ですから自分から郵送にしてくださいといったように催促することは言わないように気を付けましょう。
通夜に代理として参列した場合には、通夜振る舞いといって亡くなった人との思い出を語ったり、遺族の方の心を慰めたりする食事会に誘われることもあります。代理でも、通夜振る舞いは可能な限り出席をしたほうが良いでしょう。やむを得ない事情があり参加できない場合には、お断りすることも可能です。その際には失礼のないように丁重にお断りしましょう。