自宅に仏壇を備えている方は、仏壇用のお線香や灰などの処分に困ることがあるのではないでしょうか。また、掃除するポイントは複数存在します。
今回の記事では、お線香や灰の処分方法について詳しくご紹介致します。
香炉の掃除とお線香の灰の処分方法について
仏壇に毎日手を合わせている場合、お線香も毎日あげるという方が多いでしょう。日々の積み重ねによって、香炉は次第に汚れていくものです。仏壇にあげていたものを通常のごみと一緒に出しても良いのだろうかと悩む方も多いようですが、問題ありませんから溜まった灰を処理する場合は燃えるごみに出しても大丈夫です。
ここからは、香炉の掃除も含めお線香の灰の処分方法の一般的な手順をご紹介致します。
- 香炉の中の掃除
- 灰を捨てる前にまず着目したいのが香炉の中身です。
香炉とは、お線香を立てるために用意されている入れ物のことを指し、灰を溜めておくことも可能です。仏壇にセットで備えられていることが多く、香炉にお線香を立てて手を合わせる習慣がある方も多いのではないでしょうか。 - 香炉にはお線香の燃えかすが灰となり絶えず溜まり続けていくものですから、次第に灰が気になってくることでしょう。香炉の中身を掃除する場合には、まずは袋や紙などのまとめやすいものに灰を移動させ、香炉にこびりついた灰を小さめのほうきなどで払いましょう。乾燥しすぎて取れにくい場合には、濡れた雑巾などの布類を使ってぬぐい取る方法もあります。
- 灰をふるいにかける
- 灰をただ捨てるのではなく残りを香炉に戻してお線香を立てる土台に活用する為に、香炉の中の掃除で移動させておいた灰をふるいにかけましょう。灰をふるいにかけることで、灰を細かくすることができ、線香が燃え残りがあるタイプであればそちらも取り除くことが出来ます。
- 灰が大振りの場合は灰をふるい落とす道具を利用するのもおすすめです。ない場合は網目の細かいザル状になったもの(茶こしなど)でも代用可能です。
また、ふるいにかける際には粉が舞いやすくなるので、屋外やひらけた場所・風がない場所で作業することをおすすめ致します。その際には、鼻や口から灰が入らないようにマスクを着用して作業しましょう。
- 香炉に灰を戻す
- ふるいにかけた後は、香炉の半分程度を目安に灰を戻しましょう。この際に灰を戻し過ぎるとすぐに一杯になってしまいますので、注意しましょう。
- 灰を移し終え残った灰は燃えるごみの日に捨てます。
以上が一般的な香炉の掃除とお線香の灰の処分方法になります。
お線香の処分について
仏壇にあげたお線香の処分に困っている方の多くは「仏壇に供えたものを普通に捨てるのは気が引ける」という考えをお持ちかもしれません。しかし実際は、燃えカスや残りになってしまった灰やお線香の残りを処分しても問題はありません。お線香をあげるという行動そのものが仏様に対する供養であり、供養や祈りが終わった後のお線香は燃えるごみで捨てられます。
灰は状態が悪くなったりカビが生えたりすることも基本的にはないですから、先述した様に掃除の際は一定量残しておき、次回以降に役立てましょう。仏壇にあげている線香の灰や線香の残りかすも、仏様の食べ残しと捉えると処分に困ることも掃除に悩むことも減ってくるでしょう。きれいに掃除をして、きれいな状態で仏様が食事をとれる様に心機一転を図ってみましょう。
お線香以外の処分方法について
四十九日が終わると、仏壇にあげたものや法要で利用したものを処分する必要が出てきます。祭壇等に飾っているものも多くあるため、処分の方法がわからないという方も多いでしょう。ここからは、処分の必要があるものの捨て方や正しい処分の方法をお伝え致します。※宗教上の理由などからお焚き上げ等の丁寧な処分が必要になる可能性もありますので注意しましょう。
一般的に、四十九日が終了すると故人の魂を仮に入れていた白木位牌から、仏壇に飾る本位牌に変更する必要があります。開眼供養と呼ばれる儀式を行いそれまで家に置いていた白木位牌を処分しなければなりません。通常、住職に依頼しておくことで、法要の後にお焚き上げをしてもらうことが可能です。事前に相談しておくことでスムーズに対応してもらえるので、あらかじめお声かけをしておきましょう。
白木位牌を処分する際は、次に利用する本位牌の用意も必要です。白木位牌は木のシンプルな装いですが本位牌は戒名や没年月日等が細かく記されるものになります。その為、本位牌は漆塗りといったしっかりとした作りのものを用意しておくことが大切です。葬儀社や仏具を取り扱う店で購入することができますので、法事の際に葬儀社などに依頼しておきましょう。
四十九日法要が終わると、葬儀から立て続けに行われていた法要関係が一時的に落ち着きます。納骨が済むと後飾り祭壇などに使用したものは処分しても構いません。例えば、一輪挿しなどの造花関係や・線香立て・香炉・火を付けるための蝋燭台などが挙げられます。これらのものは、ごみとして市町村指定の日に処分できます。また、後飾りと呼ばれるものは、その後の仏壇で使用することも可能です。しかし、保管場所に困る場合や使用する予定がない場合は処分してもよいでしょう。
ここまでお伝えした内容で察した方もいらっしゃるかと思いますが、位牌といった仏や魂が宿るもの以外はお線香同様ごみとして処分できます。そのため、処分方法だけを調べておけば問題ないでしょう。ただし、宗教によっては仏壇や祭壇に飾るものは異なるので適切な処分方法はあらかじめ葬儀社のスタッフなどに確認しておくことをおすすめ致します。
また、後飾りを処分する前に考えておきたいのが、法要は四十九日で終わるわけではないということです。四十九日はあくまでも一時的な区切りに過ぎず、以降の直近の法要では一周忌が挙げられます。一周忌の際も、お線香をあげ親族との会食や読経を行うご家庭も多いでしょう。その際に後飾りとして使用したものはそのまま利用することが可能です。一周忌の際に新調しても問題ありませんが、使い古されていないものであれば一周忌が終わるまで取っておくのもよいでしょう。
後飾りやお線香、香炉などは基本的に仏教の葬式や法要で利用する道具です。ただし、様々な宗派が存在しているため、宗派によって法要時に利用する道具が異なります。まずは宗派や地域的な伝統、ならわしがないかよく確認しておくことが大切です。特に宗教上の道具や地域特有のならわしに関しては、遺族間での情報だけでは不完全な場合が多くあります。その場合は、葬儀社に相談するのがおすすめです。葬儀の際は、仏教だけでなくキリスト教や神式など、宗派に応じた対応と道具の用意があるでしょう。また、質問をすることで宗派に合った処分の方法も教えてくれるので気になる場合は一度訪ねてみてください。