故人を弔う法要のひとつに四十九日があり、四十九日には故人の魂を葬儀の際に用いた白木位牌から本位牌へと移す「魂入れ」の儀式が実施されるのが一般的です。
今回の記事では、魂入れについて詳しくご紹介致します。
魂入れとは
四十九日では、葬儀の際に用いた仮の白木位牌から本位牌に故人の魂を移す「魂入れ」を実施することが多く、「魂入れ」は葬儀の際に用いた白木位牌から本位牌に故人の魂を移す儀式です。新しい位牌にはまだ魂が宿っておらず、そのままでは礼拝の対象にならないので、僧侶が読経をして「魂入れ」の儀式を行い本位牌に故人の魂を移します。
四十九日で魂入れを執り行った本位牌は中陰棚から仏壇へと移動されるのが通例となります。地域によっては「お性根入れ・御霊入れ」とも呼ばれていますので、事前に確認しておくと安心です。
また、魂入れに際しての費用についてですが、一般的な魂入れの儀式を執り行うにあたって必要となる費用の相場は概ね1万円から3万円程度と言われています。この費用については四十九日法要とは別に準備が必要なので注意しましょう。金銭を包む際の表書きは「御布施」「御礼」でも良いですが「入魂御礼」としてもよく、いずれの場合も裏面には自身の住所や包んだ金額を濃い墨で記入します。
お布施や入魂御礼の決め方について
お布施の金額について寺院に問い合わせてみると、実際に「お気持ちで」といわれることも少なくありません。施主としてお布施を用意する立場になった際に、葬儀や法要について詳しくなかったり、経験がなかったりすると困ってしまうことが想定されます。お気持ちといっても実際にはある程度の目安が存在します。想像する金額は人それぞれ価値観が異なるため、分からない場合には、ご自分だけで判断するということはせずに親族や同じ檀家の方にアドバイスをもらうなどして調べてみましょう。宗派や地域によってもお布施の目安は異なるものですので身近な方々に聞くと安心です。
そういった方法をとっても、どうしても分からない場合にはお坊さんに直接尋ねてみるのもひとつの手です。単刀直入に聞くのは、はばかられるかも知れませんがはっきりとした金額の目安を答えてくださるお坊さんもいます。「お気持ちで」と言われた後であっても「皆さんはどれくらい包まれているでしょうか」などと伺い「いくら用意する」といった直接的な表現は避けましょう。
あまりにも高額なお布施を要求された・経済的な負担が大きすぎるなど遺族と寺院の認識が大きくかけ離れている場合は、寺院を変えることも選択肢としてあります。ただし檀那寺の変更を検討する前に、寺院が目安とする金額に妥当性があるかを見極めなければなりません。
お布施は納める額が決まっていない分、お布施が高いというだけで寺院を変えるという選択を安易に選ぶのは危険な行為とも言えます。お布施の金額に困ったら、周囲の方々や葬儀社といったお布施事情に詳しい人に相談してみましょう。
四十九日について
「魂入れ」を実施することが多いのは四十九日とお伝えしましたが、四十九日についても簡潔にですがご紹介致しますので併せて参考にしてください。
四十九日とは、亡くなった日である命日から49日目に実施される法要です。仏教では人は亡くなるとあの世へ向かう旅に出るとされており、その道中で7日間ごとにこれまでの人生を振り返る裁定が7回あるとされています。その最後の裁定が49日目にあたるため、四十九日法要を行うことで供養とします。
さらに、四十九日が終わると「忌明け」とされ、通常の日常に戻るとされているので区切りをつけるためのひとつのタイミングとも言える重要な法要と言えるでしょう。
併せて覚えておきたい知識として、四十九日の数え方についてここからはお伝え致します。仏教において「満年齢」という数え方が一般的です。法要においてもそれは同じで、亡くなったその日を1日目・亡くなった年を1年目と数えます。つまり、四十九日法要を行う日は、亡くなったその日から49日目・一周忌法要は亡くなった日から1年後の命日となります。
また、先にもお伝えしましたが、魂入れの費用と四十九日法要とは別に準備が必要です。四十九日に僧侶を招いてお経を読んでもらう場合はお布施を渡す必要があります。お布施についても決まった金額はなく相場としては、葬儀で渡したお布施の10分の1あるいは5分の1程度といわれており、概ね3万円から10万円程度が一般的な相場の目安とされています。
お布施の金額は地域によっても違いがあり、慣習に従うのが賢明いう場合もありますので、あらかじめ調べておくと良いでしょう。