訃報とは友人や仕事関係者の親族が亡くなった時場合に受けた連絡の事を指し、近年ではインターネットやSNSの普及によって、訃報の連絡方法自体が多種多様な変化をみせています。いずれの場合であっても訃報に対する返信にはマナーがあります。
今回の記事では、訃報に対する返信マナーについて詳しくご紹介致します。
訃報への返信の方法
以前は訃報の連絡というと電話や手紙を使用する事が主流でした。しかし、近年では訃報の連絡もメールやLINEといった手段を使用する事も一般的となっており、中にはSNSでの連絡を行う方もいらっしゃるようにその方法は実に多様化してきています。
そしてここで気になるのが、実際に訃報の連絡に対し返信をする際に、どのような方法で返信すれば失礼にあたらないのかという問題ですが、相手方からメールやLINEで訃報の連絡をしてきた場合には、そのままメールやLINEで返信しても問題はありません。訃報の連絡が電話や手紙で行われることが主流であった時代ではメールやLINEでの返信は失礼だと考えられていましたが、現在ではメールやLINEのみならずSNSも連絡手段として社会に根付いていますので、訃報の連絡・返信をそれらの方法で行われることが多くなっています。メールやLINE・SNSはあくまで略式の方法であることを忘れずに、正式な方法は電話や手紙であるという知識を持ち合わせていることが大切です。
ここで注意が必要です。メールやLINEでの返信がマナー違反とならないケースというのは「相手方がメールやLINEで訃報の連絡をしてきた場合のみ」になりますので、当然訃報の連絡が手紙や電話で伝えられた際には、同じく手紙や電話による返信がマナーです。
メールやLINEで連絡すれば手間も時間もさほどかかりませんが、電話や手紙という時間や手間のかかる方法を選ぶという事は正式な方法を重んじている方である場合が想定されますので、常識がない人という印象を与えないためにも、相手の連絡方法に合わせ返信すると安心でしょう。
返信のマナーやタイミング
訃報の連絡に返信するタイミングについては、可能な限り早い方が良いと言えるでしょう。何かと忙しい最中の遺族に対し気を遣って返信をためらう方もいらっしゃるかと思いますが、電話を除いた方法であれば遺族の方が時間を選び読む事になりますのでそこまで気にする必要はありませんし、遺族の方が忙しい合間を縫ってくれた連絡というだけでなく、葬儀に参列するかを確認する目的もありますので時間をかけずに返信することがマナーです。そして、返信が遅くなってしまうと送り主である遺族の方が届いていないのではと考えてしまう可能性もありますし、もしも仕事や私用などで返信が遅れてしまった場合にはお詫びの言葉を一言添えると良いでしょう。
返信のマナーについては、訃報においては時候の挨拶も不要ですから可能な限り簡潔な文章を意識するようにしましょう。具体的には・故人が亡くなった事に対するお悔みの言葉・遺族の方(送り主)の体調を気遣う言葉・通夜または葬儀の参列可否などになります。この際、過度に心配したりお悔やみを述べたりせずにあくまでも簡潔な言葉でまとめるようにします。葬儀に関する案内があった場合には参列の可否も必ず明記しましょう。あいまいな返信をしてしまったり、可否について明記しないで返信すると遺族の方の準備作業に影響を与えてしまったり、再度確認など手間を増やしてしまう事になりかねません。予定が確定していない段階で返信に困る場合であれば、後日(大体〇日までに)決定事項を連絡するという旨も記載しておくようにすると遺族の方への負担を減らせるでしょう。
訃報の返信をする際に、故人には敬称を用いるのがマナーです。ただし、相手が友人や対等な立場の場合には敬称を使用せずに普段の呼び名や略式的な名前を用いる場合もあります。
訃報の返信内容を考える上で特に注意が必要なのは忌み言葉を使用しないという事です。無意識に使う可能性がある言葉や単語もあるので、実際に返信する前に忌み言葉が入っていないか確認しておくと安心です。
メールやLINEといった略式の方法であっても絵文字や顔文字・スタンプの使用は適切といえません。相手を不快にさせる可能性が多いですし、普段絵文字やスタンプを多用する方であっても訃報においては文字のみで返信しましょう。普段であれば自分の感情や想いを可視化させて伝えるためのツールですが、訃報の場面ではそれらを使用した方が正しく伝わらない恐れがあります。文面自体は訃報の返信に相応しいものであっても、全体の雰囲気を変えてしてしまう絵文字や顔文字・スタンプは絶対に使わないようにしましょう。
また、故人が亡くなった理由や経緯については、遺族にとって敏感になっている点でもあります。訃報の際に遺族側から伝えてこない場合には報告できない理由や事情や心情を抱えている場合もありますので、第三者から尋ねるのはマナー違反だと考えましょう。また、訃報の返信の際だけではなく死因については自分からは聞かないという配慮は必要です。
最後に、メールのみで発生する注意点なのですが、件名の部分にはお悔みの言葉を記載しない方が無難ですが、件名への記載がマナー違反となるわけではありません。他のメールに混在してしまう可能性を防ぐためといった面においては件名での記載は不適切ではない為です。判断しづらいと感じた場合には、自分の名前を記入して送ると送り主である遺族からもわかりやすいので良いでしょう。また、訃報の送信先を決めるのは遺族ですので訃報のメールを勝手に転送する事はやめましょう。故人と深い関係であったとしても、遺族側から依頼されていない、もしくは了承なしに転送するのは失礼な行為に当たります。遺族側は意図的に訃報の時期をずらしていたり、別の方法で報告したりする可能性もあるので、遺族の意思や考え方を尊重しましょう。
葬儀へ参列できない場合
先に、訃報の返信で参列の可否を明記できない場合には後日(大体〇日までに)決定事項を連絡するという旨も記載しておくようにして後日改めて連絡をし参列の可否を伝える必要があると述べましたが、参列の可否は葬儀の準備を進めるためにも重要な情報です。自分一人くらいと簡単に考えずに、参列の可否が決まった時点で喪主や遺族に可能な限り早く報告しましょう。
やむを得ない事情で参列が出来ない場合には、連絡手段は限定されていませんので電話やメールの他、LINEなどメッセージアプリの活用も可能です。手紙では送ってから数日時間がかかる場合や遺族の方が忙しくポストの確認が抜けてしまうという可能性も考えられますので、遺族の方がなるべく早く確認出来る方法ないし自身がなるべく早く報告できる方法を選択するようにしましょう。手紙に限らず、メールやLINEでの連絡に確認漏れなどの不安を感じる場合には電話がおすすめです。
訃報を受けた場合には、訃報の返信や欠席報告とは別に香典に関する準備を始める必要があります。遺族が辞退した場合には強引に香典を渡す必要はありませんので、遺族の方の考え方を一番に優先して負担をかけない対応をすることが大切です。