弔問とはお悔やみを述べる行為として広い意味を持ち、葬儀に参列した際にお悔やみの言葉を述べることや遺族の方の家へ訪問しお悔やみの言葉を述べることも弔問となります。弔問で遺族の方の家へ訪問する際には故人や遺族の方との関係性によってタイミングが異なります。
その様な点を踏まえながら今回の記事では、弔問について詳しくご紹介致します。
弔問する際の時期など
やむを得ない事情などで、お通夜やお葬式の日にどうしても都合がつかない場合には、別の日に改めて弔問をします。最も良いとされている弔問の時期は、お葬式を終えてから数日~四十九日までの間です。故人の近親者は通夜前に弔問しますので、故人の生前に非常に親しかった方や日常的に付き合いをしていた方などもこのタイミングで弔問しても良いとされていますが、お葬式前の弔問は遺族の方も多忙を極めている時期ですので避けた方が無難です。
訃報を受けたら可能な限り早く弔問を、と思ってしまいがちなのですがお葬式の直後も避けた方が良いでしょう。遺族の方は葬儀の後処理の作業が多く非常に忙しいので弔問する事でかえって負担になってしまう場合もあるからです。反対に、落ち着いてからと気を遣い葬儀からの期間が大きく空いてしまうと改めて弔問客を招く準備を整えなければならなくなり手間をかけてしまう事になりかねませんので注意が必要です。
いずれの場合も遺族の方側から弔問に来てほしいという旨を伝えられた場合には別になってきますし、弔問する際には必ず事前に遺族の方へ連絡をし許可をとりましょう。遺族の方にも事情や心情がありますので、仮に弔問を断られた場合には無理に出向くのを絶対にやめましょう。
弔問する際の注意点
弔問する際には、遺族の方の家へお邪魔する事になります。普段とは違う理由での訪問ですから、いくつか注意しなければいけない点があります。弔問する大前提として、先に述べた通り、遺族の方へ必ず事前に連絡をしておくことが大切です。何日の何時ごろといったように具体的にいつ行くのかを決めておけば遺族の方への負担も軽くなります。また、亡くなった方が子供の場合には年齢の近い子供を連れて行かないといったような気遣いが必要です。
実際に弔問した際には玄関に入った際にまず簡単な挨拶をしますが、その後に自ら上がろうとするではなく、遺族に上がるように促されるまで待ちましょう。もしも上がるよう促されない場合にはその場でお悔やみの言葉を述べましょう。お悔やみの言葉を述べた後に注意が必要なのは簡単な思い出話や当たり障りのない話をする際に、故人の病名・死因などを尋ねるのは失礼に値しますし遺族の方がつらい思いをしてしまう場合もありますのでやめましょう。亡くなった方が子供の場合には当たり障りのない話でも子供の話題を出さないのも気遣いです。悲しみに暮れている遺族の方に元気を出して貰おうと、出産や結婚など明るい話題を出す事は悪い事ではないのですが、遺族の方の気持ちに寄り添い・思いやることに専念する方が遺族の方にとっても嬉しい事でしょう。
遺族の方から故人のもとへ案内されたら、まずは遺族へ一礼してから線香をあげます。その際には、必ずろうそくの火から線香に火を灯し、左手で線香をあおいで火を消して合掌します。この際に線香を立てるか立てないかは宗派によって異なりますので、その場で判断できない場合には遺族の方に聞くと良いです。故人との対面を促された場合には、故人の枕元から少し下がった位置へ正座し両手をついて一礼します。白布を外すのは遺族ですので自ら外さないようにし、遺族が白布をはずしたら膝の前に手をつき故人の顔をそっと目視し、一礼して合掌した後に少し下がり遺族へと一礼します。
そして、弔問をする際に最も気を付けたい事は、遺族の方の負担にならないように長居をしないという点です。遺族の方とは初めて対面する他人である場合や顔見知り程度の場合が多くありますので、遺族とは簡潔にお話ししたらきりの良い所で引き上げるのが良いでしょう。
服装やお供え物のマナー
服装のマナーについては、時期によってマナーが異なりますのでお通夜よりも前に弔問する場合には、喪服を着ていくとまるで故人の不幸にあらかじめ備えていたと捉える方もいらっしゃいますので喪服は避け、黒や紺といった地味な色合いの華美ではない普段着が好ましいとされています。お葬式後の弔問では、黒あるいは黒っぽいスーツやセットアップなどの略礼装で行くことをおすすめします。式へ参列するという訳ではありませんので、喪服を着る必要はありませんが普段着ではラフすぎる印象をあたえかねませんので、スーツで行けば故人を忍んで弔問した気持ちが伝わることでしょう。
香典についても、故人の不幸にあらかじめ備えていたという意味になってしまいますので、通夜前の弔問に持参するのは失礼にあたります。お供え物や手土産も同様です。後日訪問する際には香典を持参するのが一般的です。お供え物や手土産に関しては、お返しすべきかと遺族が困ってしまうほど高価なものは避け、故人が生前に好んでいたお菓子や花・果物などを持参しても問題はありません。