多くの方が訪れるお通夜や葬儀では、しっかりと管理していないと誰からいくら香典を頂いたか分からなくなってしまう可能性もあります。そんな時に役立つのが香典帳です。香典帳にはどのような項目があると便利なのかはご存知でしょうか。
今回の記事では、香典帳と利点について詳しくご紹介致します。
香典帳を作成する利点
香典帳は頂いた香典の額や名前を書き込むだけのものではありません。作成したリストは香典返し以外にも様々な面で役立ちます。まずはなぜ香典帳を作成するのかが分かるように香典帳の目的からご紹介致します。
- 香典返しの為
- 香典帳を作成する最大の目的は香典返しです。お通夜や葬儀に参列する方の多くは香典を持参します。一般的な香典返しでは頂いた香典の半額から3分の1をお返しするのがマナーであるため、誰からいくら香典を頂いたのかを正確に把握する必要があるのです。葬儀前後はやるべきことが多く慌ただしくなってしまう為、香典返しに漏れがないようこうしたリストの作成は重要です。
- 葬儀後の挨拶の為
- 葬儀後の挨拶として故人が生前お世話になっていた方にお礼状を出したり、葬儀などを終えた報告に伺ったりします。またお通夜や葬儀に参列していなくても、香典やお供え物・弔電といったようなものを送っていただいた場合には同様にお礼をしたほうが良いですから、香典帳があると住所や頂いたものを改めて調べる必要がなくスムーズにお礼をする事が可能です。
- 法事の案内をする為
- 香典帳は法事の案内をする際にも役立ちます。四十九日や百箇日・一周忌や三回忌などの法要には、家族や親族だけでなく故人が生前親しくしていた方が参加することも少なくはありません。身内の方への連絡は電話でも問題ありませんが、お世話になった方への連絡はハガキやお手紙で案内状を送ったほうが良い場合も多いでしょう。そうした際にも作成した香典帳を開けば法事の案内の送り先が一目で分かります。葬儀から時間が経過した際にも漏れなく法事の案内を送るために香典帳は重要です。
- 冠婚葬祭の目安にする為
- 香典帳が役立つのは葬儀や法要に関連することだけに留まりません。お世話になった方の冠婚葬祭に出席する際、持参するご祝儀や香典の金額を考える目安にできます。お渡しする金額に差が出て、相手に失礼とならないように同額を返すといった様な対応も可能となります。この様に香典帳は冠婚葬祭におけるやり取りの判断の基準となる役割もあります。
また、香典帳を作成することによる様々な利点があります。ここからは香典帳を作成する利点について詳しくお伝え致します。
香典帳の大きな利点として挙げられるのが、必要な情報をきれいにまとめられるという点です。香典帳を作成する際には「相手の氏名・香典の金額・住所や連絡先」を記入しますが、さらにお供え物や弔電などの情報も一緒に管理することが可能です。また、ご自身が知らなかった故人の友人やお世話になった方がいた場合は、故人との関係性を簡単に書き記しておきましょう。法事のご案内や相手方の冠婚葬祭の際にも参考になります。
また、香典帳は香典返しを忘れることを防ぐという利点もあります。香典を頂いた際には後日香典返しをするのがマナーです。香典袋には相手の氏名や金額が書いてありますが、中には氏名や金額の書き忘れがあるかもしれません。頂いた香典を整理する際に氏名と金額をリストアップしておけば、後ほど香典返しの用意を忘れてしまったり金額が不足したりといったことを防げるでしょう。今後のお付き合いを円滑に行うためにも香典帳が役立ちます。
香典返しやお礼の品物を用意する際にどの程度の金額の品を用意したら良いのかを迷う方も多いでしょう。香典帳には頂いた香典の金額やお供物を書き込んでおけるので、半額や3分の1など金額の予算が立てやすくなるのが利点です。故人との関係性や葬儀で特別お世話になった方や大きな額のお香典を頂いた方が分かるように記入しておけば、特別なお返しをしたい場合にも金額の目安を設けやすいでしょう。
香典帳に必要な項目
香典帳には氏名・住所・連絡先・頂いた香典の金額を記入しますが、それ以外にもまとめておくと便利な項目があります。紹介する項目全てを記入する必要はありませんが、ご自身の好みや必要性に合わせ選んでみてくださいね。
- 必要な項目
- ・氏名
誰から頂いた香典なのか把握する為に氏名が必要です。名字だけですと同じ名字の方がいる場合には混合してしまう恐れもありますので、姓と名前の両方を記入しましょう。相手の会社や役職が分かる場合には併せて書き込むと便利です。また、団体で香典を頂いた場合には団体名と個人名を記入するのがおすすめです。 - ・金額
香典返しの金額を決める為には、頂いた香典の金額も必要事項です。金額が分かれば半額や3分の1の金額が分かり事前に予算を立てられます。 - ・住所
香典返しだけでなくお礼状や法事のご案内を出す際にも住所を使用します。また、香典を郵送で頂いた方の住所も忘れずに書き込んでおきましょう。 - ・連絡先
お礼の品物を送る際や不明点がある場合に必要なのが電話番号などの連絡先です。こちらも漏れなく記入しましょう。 - ・弔電有無
葬儀に出席できず弔電を送ってくださった方についても記載しておきましょう。 - ・お供え物の有無
お供え物や供花を頂いた方にはお礼状やお返しが必要な場合もあります。後ほどお礼をする際の参考になるので、頂いた方や品物の内容・価格などを分かる範囲で記入しましょう。 - ・葬儀参列か弔問か
葬儀への参列かその他のタイミングで弔問かについて記入しておくと、後にお礼状を贈る際にスムーズにお礼が述べられます。 - ・香典返しの品名と値段
送った香典返しの品名・値段についても記載しておけば、後ほど見返す必要が生じた際に速やかに思い出せます。 - ・配送か直渡しか
香典返しを配送したのか直接渡したのかについて記載しておくと、後々のやり取りの際に役立つかもしれません。
自作の香典帳とは
市販の慶弔用記録ノートを使用すると手軽に済ませることができるのですが、多くは項目が限られており、先に挙げたような香典帳に必要な項目は他のもので管理する必要が出てきてしまう場合がほとんどです。その為、自分で香典帳の仕様を作成すると、自分に必要な項目を1ヵ所にまとめることができ、より便利に香典帳を活用することができます。
ここからは、香典帳の作成方法についてお伝え致します。
- 手書きで作る香典帳
- 昔から行われているのが手書きによる香典帳の作成です。あらかじめ記入する項目を決めてから枠線を引いて表を作るとスムーズです。しかし、手書きの場合は金額の計算や氏名の記入に手間がかかる点にも注意しましょう。参列の人数が多くなればなるほど作成や計算に時間がかかります。ご自身の負担と参列者の人数を考慮して手書きにするか、別の方法にするかを判断することが大切です。また近年では百円ショップなどでも「お付き合いノート」といった専用のノートも販売されているので、気軽に購入出来ますので使いやすいものを選んでも良いかもしれません。
- テンプレートで作る香典帳
- 一から作成するのではなく、インターネットでダウンロードした香典帳を使用する方法もあります。項目があらかじめ設定されていますが、使用者が使いやすいようにと各作成者が工夫を凝らしたものが多いですので、ご自身に合っているものを選んでダウンロードすることができます。また、テンプレートは基礎の部分をカスタマイズすることも可能なことが多いですから、パソコンに慣れている方は楽に感じるかもしれません。数値などを手書きで記入したい場合は、テンプレートのみプリントアウトして利用するのも可能です。香典帳のテンプレートは、インターネット上で無料配布されているものも数多くありますので検討してみても良いですね。
- 表計算ソフトで作る香典帳
- エクセルなどの表計算ソフトを用いた表の作成が得意だという方は、ご自身で香典リストを作成しても良いでしょう。表計算ソフトで香典帳を作成した場合、関数を利用すれば50音順に並べ替えたり、金額順、関係順に並べ替えることも可能になります。高額な香典返しが必要な方の有無や関係別でどなたが参列していたのかなどを調べたい場合には項目別に並べ替えることが出来る表計算ソフトを用いることで簡単に分かります。加えて手書きと比較すると読みやすく、加筆や修正も簡単です。連絡ツールを活用してデータを共有すれば、離れて暮らす親族間でも簡単に情報の共有ができるという利点もあります。
また、香典帳を自作する他にコストはかかってしまいますが、業者に依頼して作成してもらうという方法もあるようです。作業の手間が省けるのが利点ですから、参列者の数やご自身の使える時間を考慮し利用の有無を検討すると良いでしょう。
香典帳を作成するためには、参列した方の氏名や香典金額などの情報が必要です。これらの情報が残せるように香典帳作成に向けて準備が必要です。ここからは、香典帳を作成する際に知っておきたい点について詳しくご紹介致します。
香典袋には名前と金額・住所を記入しますが、記入漏れがある可能性も考えられます。住所や連絡先がないと香典返しの送り先が分からない場合もあるので注意しましょう。不備なく香典帳を作成するためには、参列者の名前と住所を記入する「芳名帳」や「会葬カード」を用意すると良いでしょう。必要な情報をそろえるために、葬儀の受付で参列者に対して芳名帳や会葬カードへの記入をお願いします。名前や住所・連絡先などを記入してもらい、香典帳を作成する際に香典袋と併せて確認しましょう。
また、香典帳をスムーズに作成するためには香典袋に書かれた氏名や金額が必要です。香典を取り出した後も香典袋を捨てないように注意しましょう。また、香典帳作成後も記入内容をチェックできるよう、最低でも香典返しが終わるまでは香典袋を保管することが大切です。